【実践:謄本(登記簿謄本・全部事項証明書)】(10日目)

銀行から「謄本」の提出を要求されるが、「全部事項証明書」が正式な名称だ。「登記簿謄本」とも言う。

不動産会社に言えば出してもらえるが、自分でも法務局やネットでも取り寄せることができる。

謄本は、不動産を購入した者が国に届け出をするため、謄本を見れば、物件概要書が正しいかどうかを確認する材料となる。

同時に、ここから価格を予測することが出来る。では、この謄本から色々読み解いてみよう。

赤枠の抵当権設定に着目する。

現在の所有者が「株式会社nuutos」という会社で、「広島市信用組合」から融資を受けている。

その時の「令和3年4月26日」に「7,800万」の極度額が設定されている。

1.「株式会社nuutos」

→恐らく資産管理法人だと思われる。 要するに、お父さんと同じ投資家だ。

 これが個人の名前だと、相続の可能性もあり、交渉し易かったりする。

2.「広島市信用組合」

→広島市市信用組合の立場から考えると、物件を売られ、他の銀行で融資となると、

単純に利息収入がなくなるため、同じ銀行に持ち込んだ方が有利な事もある。

ただ、その逆もあるので、銀行のクセを知っておくことは重要。

3.「令和3年4月26日」

→日付を確認すると、3年前に購入したばかりの物件を売りに出している。

 というこは、ほとんど返済が進んでない。 売却益狙いの投資だと思われる。

4.「極度額」
→これ一番重要。価格をここから算出していく。 

極度額は、基本的に融資額の1.2倍にした額を

設定する事が多い。(極度額とは、融資の上限金額のこと)

 よって、7,800万を1.2で割り戻すことで、融資金額が算出できる。

   7,800万÷1.2=6,500万

 6,500万の融資を受けていることが分かる。

 ただし、あくまで融資を受けた額であり、

購入価格とは異なる。

頭金をいくら入れているによって、価格は異なる。

ここからは予測だが、6,500万という額を一括で払う投資家はほぼいないだろう。

なぜなら、投資家の基本はいかに自己資金を使わず、次の物件のため資金を温存できるか考えて投資する。

よって、頭金1割と考え、650万とすると、6,500万+650万で、7,150万の購入金額と想定する。

 あとは、利率はいくらか分からないが、仮に2.5%と想定してみる。

 お父さんのように初心者は3%だ(涙)

あとは、この情報使ってシュミレーションして購入可能な範囲の金額予測をする。

シュミレーションアプリを使えば、簡単だ。

このアプリを使って計算する(PC用、スマホ用のどちらもある)

ローン計算 ドッドコム | 金利計算 かんたんローン計算サイト (loankeisan.com)

 融資額:6,500万

内訳、購入額:7,150万

頭金(1割):650万

利息:2.5%、

融資開始月:令和3年4月

融資期間:15年

※融資期間の算出は、築年数から想定する。

物件概要書:築年10年の木造の耐用

年数22年だから、残12年なので、融資期間を15年とする。

とすると、アプリをより、返済残高は6,400万以上と算出できる。

この残高にプラスして、当然利益を載せてくるし、且つ売買における諸経費もかかるため

7,800万から大幅な値引は難しそうである

事が想定できる。

少なくとも返済残高の6,400万以下の交渉は成立することはないと想定できる。

今日の授業は以上だ。

不動産価格は、1つたりとも同じものはないため価格はあってないようなものだ。

高値で掴まないよう、且つ可能な限り安値で買えるよう予測していくことが重要だね。

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